REPORT
- vol.01 in 出島
- 2023.3.16
コンテナ海運の未来から
これからの世界を見据えるために、
日本全国から多様な専門家が集結。
2023年3月16日、日本の海運のルーツともいえる長崎市の出島で、初めての「コンテナ海運サミット」が開催されました。「ひらけ、コンテナ。」がテーマのサミットには、ESGや海運、サプライチェーン、船舶工学など、さまざまな分野の第一線で活躍される16人の専門家が出席。主催するONEからは、シンガポール本社より企業戦略、環境、オペレーション、船隊整備、人材開発などを担当する各部門の責任者が参加しました。おそろいのパーカーを着て、サミットはスタート。
個性的な自己紹介と、スペシャル出島ツアー。
サミットではまず、それぞれの専門家が取り組んでいる最新の研究事例を紹介しました。その一部をご紹介します。
- ●人口知能を用いた国際物流市況の分析
- ●二酸化炭素を吸収し海洋生態系を守る藻場
- ●最新の知見を用いたサプライチェーンの最適化や強靭化の研究
- ●遠隔・自動化技術、温室効果ガスを削減する最新の舶用燃料・機関
- ●渋滞問題解決ソリューション
- ●電池推進船、生産・物流システムの最適化研究
- ●持続可能な社会の実現に向けた新国富指標など
などなど。様々な分野の専門家たちの自己紹介はどれも興味深いものばかり。
午後のセッションにうつるまえに、出島の学芸員さんが、出島を「海運」という観点で解説する特別コンテンツ「スペシャル出島講座」を実施。実際に復元された出島でフィールドワークをおこない、450年前の海運についてそれぞれの視点で見識を深める時間も設けられました。
コンテナ海運の未来について、みんなで考える。
午後のセッションではONEの担当者が、コンテナ船事業運営における取り組みや特徴を紹介しました。続いて参加者を2つのグループにわけてグループセッションを実施。それぞれのグループのテーマは「コンテナ海運の ESG を見据えた将来の在り方について」「コンテナ海運の将来を変えるテクノロジーについて」というもの。
グループセッションでは、専門家側の最新の研究内容や知見、ONE側の事業運営上の課題意識や実輸送に関連する膨大なデータをふまえ、脱炭素化や効率的で安定したサプライチェーンの構築、環境保全、コンテナ船事業の競争力強化といった目的に向け、今後の取り組みにおける方向性について議論を行いました。
時間が足りなくなるほど議論は盛り上がりをみせ、それぞれのグループの議論を共有する時間ももうけられました。
議論からうまれた提言や意見の一部をご紹介します。
- ●社会や生活者に対して、コンテナ物流の重要性を正しく伝えていく取り組みが必要。
- ●使われていない資産が世界に多数あり、それぞれが囲い込まれてしまっている。こうしたものを、業界を超えた枠組みをつくりながら共有・活用していく必要性がある。それは同時にESGへの貢献にもつながるだろう。
- ●環境対応は一社の力のみでは達成できない。第三者評価機関を作ってESG評価を行い、異業種間の連携を図っていく必要があるのでは。
- ●コンテナ海運の将来を変えるテクノロジーという観点で、自動化、代替燃料・主機、環境対応の負担の在り方、最適化、DX、通信などをテーマに議論した。
幅広い領域への、さまざまな提言・問題提起が行われました。
ここで生まれたアイディアや新たな議論の芽は、8月にシンガポールで開催される第2回サミットにおける議論の新たな土台になっていきます。
初めてとなるコンテナ海運サミットでの議論をふまえ、今後も産学をはじめとする様々な立場のみなさんといっしょに、コンテナ海運の未来を考えてまいります。
vol.01 in 出島
2023.3.16
テーマ
- Group A /コンテナ海運のESGを見据えた将来の在り方について
- Group B /コンテナ海運の将来を変えるテクノロジーについて
スケジュール
-
オープニング
-
セッション1
-
スペシャル出島講座
-
ネットワーキングランチ/出島ツアー
-
ONEによるプレゼンテーション
-
グループセッション
-
休憩
-
ディスカッション内容の発表
-
クロージング